- 虫歯治療
- Tooth decay
虫歯は、
食生活や清掃状態の悪化によって引き起こされる虫歯菌の感染症です。
治療方法は、
簡潔に言えば、感染した部分を除去し、修復するという内容です。
感染した歯質を除去する際、
拡大鏡やマイクロスコープを使用し、感染歯質を染め出す染色液を使用し、取り残しをなくし、必要以上に削る事を回避します。
感染歯質除去後の修復する方法は、
感染歯質を除去した後に残った健康な歯質の量によっても選択肢は変わります。
1. 虫歯の範囲が狭い・浅い場合
→ コンポジットレジン or ダイレクトボンディング
2. 虫歯の範囲が中程度の場合
→ 銀歯 or CAD/CAM修復物 or セラミックス
3. 虫歯の範囲が広い・深い場合
→ 銀歯 or CAD/CAM修復物 or セラミックス
主な材料の特徴
コンポジットレジン:
(+)保険診療
(+)削合量が少ない
(+)即日で完了する
(+)やり直しが簡単
(ー)早めに経年劣化する
(ー)色を合わせることが比較的難しい
(ー)天然の歯の形態を再現するのが難しい
(ー)再感染のリスクが高い
ダイレクトボンディング:
(+)自費診療
(+)削合量が少ない
(+)1、2回で完了する
(+)やり直しができる
(+)天然の歯の形態を再現する
(+)再感染のリスクが低い
(ー)ゆっくり経年劣化する
(ー)色を合わせることがやや難しい
銀歯:
(+)保険診療
(+)壊れない
(ー)削合量が多い
(ー)静電気を帯び、汚れを引き寄せる
(ー)適合が良くはない
(ー)見た目が良くない
(ー)接着力が弱い
(ー)再感染のリスクが高い
CAD/CAM修復物:
(+)保険診療
(+)金属色ではなく、
白い(しかし、自然な白さではない)
(ー)削合量が多い
(ー)経年劣化する
(ー)適合が良くない
(ー)接着力が弱い
(ー)強度がやや弱い
(ー)再感染のリスクが高い
セラミックス:
(+)劣化しない
(+)汚れがつきにくい
(+)接着力が強い
(+)強度が高い
(+)再感染のリスクが低い
(+)自然な見た目で、審美性が高い
(ー)自費診療
また、当オフィスでは患者さんに拒否されない限り、
ラバーダムという治療する歯を汚れや水分から隔離する道具を使います。(別ページ参照)
虫歯の進行度合いによっては、
歯髄(血管と神経組織の複合体)の一部を温存する覆髄や
根管治療(別ページ参照)、抜歯が必要になることもあります。
覆髄とは、
大きく分類して、「直接覆髄」「間接覆髄」「歯髄温存療法(部分歯髄切断)」の3つあります。
ここでは、日常臨床でよく行われる歯髄温存療法について説明します。
歯髄まで、虫歯の感染が進行した際、
感染した神経のみを除去し、露出した神経を洗浄し、
保険適用外の覆髄材(MTAセメント)で封鎖し、
歯髄の一部を保存する方法です。
神経を可能な限り保存するメリットは、
自身の歯髄で根管内が満たされていることにより、
神経が死んでいる・神経を全て除去する根管治療を行った歯に比べて、
再治療のリスクが少ないことが挙げられます。
しかし、必ず歯髄を保存できるわけではありません。
まずは保存を試みて、
痛みなどが持続し、保存が厳しいと判断される場合は、
結果的に歯髄を完全に除去する事もあります。
事前に可能性を含め、十分に説明を行いますので、少しでも不安のない状態で治療に臨んでいただきたいと思います。
虫歯治療Tooth decay
治療前(ラバーダム装着後)
金属除去直後
感染歯質を染色
染色されているところが感染している部分
感染を除去後
エッチング(歯質と材料の接着を高める)
充填後
治療後(ラバーダム 除去後)
治療前(詰め物が取れて虫歯ができている)
治療後
ダイレクトボンディング
マイクロスコープ(3〜40倍)