削る量が少ないブリッジ

通常のブリッジ治療では、失った歯を補うために両隣の健康な歯を大きく削る必要があります。つまり、1本の歯を補うために、両側の2本の健康な歯に負担をかけることになるのです。しかし、当院では、歯をほとんど削らずに行える「接着ブリッジ」という治療法をご提案しています。以下で詳細を説明していきます。

健康な歯をほとんど削らずに治療する「接着ブリッジ」

「接着ブリッジ」とは、右の図に示されているように、失った歯を補うために隣接する歯の裏側に金属やセラミックなどの素材を接着剤で貼り付ける治療法です。接着ブリッジには次のようなメリットがあります。

●健康な歯をほとんど削らずに治療が可能
●歯の神経を残せるため、歯の寿命を延ばすことが期待できる
●1～2回の通院で治療で完了する
●金属アレルギーのリスクがない
●外科処置を必要としない
●見た目が自然で目立ちにくい

一方で、「接着ブリッジ」には一般的なブリッジと比較して外れやすいというデメリットがあります。一般的なブリッジの違いは以下の表のとおりです。

	メリット	デメリット
一般的なブリッジ	・高い固定力	・健康な歯を削る必要がある ・歯の神経を除去する場合がある
接着ブリッジ	・ほとんど歯を削らない ・歯の神経を残すことができる	・弱い固定力

詰め物を活用した治療法『アンレーブリッジ』

「インレー（アンレー）ブリッジ」は、詰め物を利用して欠損した歯を補うブリッジ治療の一つです。右の図に示されているように、補いたい歯の両隣の歯に小さな詰め物（インレーまたはアンレー）を施し、それらを橋渡しする形で接続して固定します。この方法は、接着ブリッジと比較すると歯を削る量が多くなるため、健康な歯への負担がやや増える点がありますが、その分固定力が強く、安定性が高いという特徴があります。

一般的なブリッジとの違いは以下の表のとおりです。

	メリット	デメリット
一般的なブリッジ	・高い固定力	・健康な歯を削る必要がある ・歯の神経を除去する場合がある
アンレーブリッジ	・一般的なブリッジと比較して歯を削る量が少ない ・接着ブリッジよりも高い固定力 ・歯の神経を残すことができる	・弱い固定力

「接着ブリッジ」や「アンレーブリッジ」は歯を守りながら治療できる優れた方法ですが、すべての症例に使えるわけではありません。

対応可能なケース

●失った歯の両隣が「自分の歯」であること
●失った歯の両隣が「健康な歯」であること
●噛み合わせが強い力のかからない部位であること

当院では、精密な診断後に最適な治療法をご提案します。適応外と判断された場合は、部分入れ歯やインプラントなど他の選択肢と比較しながら、患者さんのライフスタイルに合った治療計画をご提案いたします。

「できるだけ歯を削らずに治療したい」「神経を残して歯を守りたい」とお考えの方は多いのではないでしょうか。一度失った歯は元に戻らないため、残っている歯を大切にしたいという気持ちはとても自然なことです。

接着ブリッジやインレー（アンレー）ブリッジは、歯を削る量を最小限に抑えられる治療法です。従来の方法と比べて天然歯へのダメージが少なく、見た目も自然で美しい仕上がりが期待できます。そのため、「歯を守りながら治療したい」という患者さんのニーズに応えることができる選択肢と言えるでしょう。

ただし、どんな治療にもメリットとデメリットがあり、最適な方法は患者さん一人ひとりの状況によって異なります。当院では、患者さんのお話を丁寧に伺い、検査結果をもとに最適な治療法をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。あなたに合った治療法を一緒に見つけていきましょう。